オンライン商談の普及に伴い、商談をスムーズに進めるためのツールの重要性も増しています。適切なツールを選ぶことで、商談の効率が格段に向上し、業務の進行もスムーズになるでしょう。しかし、導入に際してはメリットだけでなく、注意点も押さえておくことが大切です。そこで、オンライン商談で便利なツール6選と題して、オンライン商談ツールの導入のメリットや注意点も分かりやすく解説します。

オンライン商談とは

オンライン商談とは、インターネットを使用して遠隔地にいる相手と行うビジネス会議のことです。この商談形式は、テクノロジーの進化とともに急速に普及しました。特に、ビデオ会議システムの進化や通信技術の発展が、遠隔地とのスムーズなコミュニケーションを支えています。今では、通信技術の発展により、従来の対面での商談と比較しても遜色ないレベルの対話が可能になりました。
この商談形式では、ビデオ会議システムやインスタントメッセージ、ファイル共有など、さまざまなデジタルツールを活用します。具体的には、画面共有機能を使ってプレゼンテーションを行ったり、ドキュメントを同時に編集したりすることで、より効率的かつ効果的な商談が展開できるのです。

新型コロナウイルスの流行によって、多くの企業が対面での商談からオンライン商談へと移行することを余儀なくされました。これは、安全性を確保すると同時に、移動や場所に依存しない柔軟な働き方を推進する結果となりました。
加えて、企業が国境を越えて活動する機会が増えるなかで、異なる時間帯や場所にいる人と効率的に会議を行う必要性が高まったこともオンライン商談が普及した理由の一つです。
こうした状況において、オンライン商談の効果と効率性は今や多くのビジネスリーダーに認識されています。実際、多くの企業でオンライン商談を採り入れており、もはや現代のビジネスシーンにおいてなくてはならないツールになったと言っても過言ではないでしょう。

オンライン商談ツールを活用するメリット

オンライン商談ツールを活用することには、数多くのメリットがあります。これらのツールは、ビジネスの効率性を高めるだけでなく、コミュニケーションの質を向上させ、より広い範囲でのビジネスチャンスを開拓する手助けとなるからです。では、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

時間と費用が節約できる

オンライン商談ツールの導入により物理的な移動が不要になるため、出張費などの交通費が削減されます。同時に、移動にかかる時間が節約できるため、これまで以上に時間を有効に活用できるようになります。加えて、オンライン商談ツールには会議のスケジューリングや自動録音といった機能が備わっているため、事後処理の手間も大幅に減少します。

迅速なコミュニケーションが可能になる

ビデオ会議ツールを使えば、顔を見ながらのコミュニケーションが可能になるため、より明確で速やかな意思疎通が行えます。また、リアルタイムで資料を共有したり、画面に直接注釈を加えたりすることできるため、誤解の生じるリスクを最小限に抑えられるというのもメリットです。

柔軟な働き方に対応できる

オンライン商談ツールは、どこからでもアクセス可能です。自宅や外出先、さらには、時差の異なる地域にいても、商談に参加できるようになります。柔軟な働き方の実現には格好のツールなのです。つまり、オンライン商談ツールの導入は、従業員のワークライフバランスの改善にもつながります。

環境に優しい

対面での会議をオンライン商談に切り替えることによって、移動によって生じていたCO2排出を抑えることができたり、紙の使用量を削減できたりといった環境保護にも寄与できるようになります。環境に配慮した企業というイメージを打ち出すにも、オンライン商談ツールは有効な手段となるのです。

データの安全管理がしやすくなる

オンライン商談ツールの多くは、高度なセキュリティ機能を備えています。会議の内容を暗号化できるため、不正アクセス対策にも有効です。機密情報を取り扱う商談も安心してできるようになります。また、商談の記録がデジタル化されることで、情報の整理やアクセスが容易になるのもメリットです。

オンライン商談ツールの選び方

オンライン商談ツールの選定は、商談の成果に直接影響を与える非常に重要な決定です。機能性だけでなく、利用状況やニーズに適したものを選びましょう。

利用目的にふさわしい機能

オンライン商談ツールを選ぶ際には、まずは利用目的を明確にしましょう。どのような商談を行うのか、どれだけの頻度で使用するのか、どの程度の規模の会議をサポートする必要があるか、など、具体的なニーズに合わせて、それにふさわしい機能を持つツールを選ぶ必要があります。たとえば、大規模なプレゼンテーションや複数地点からの接続を要する場合、高度な共有機能や複数画面を同時に表示できる機能が必要です。

映像と音声の品質

映像と音声の品質は、オンライン商談の成否を大きく左右します。映像や音声が明瞭で途切れないことが、商談をスムーズに進めるためには不可欠です。この点ではユーザー評価や口コミが頼りになるでしょう。評価の高いツールを選ぶことで、リスクを減らし、よりスムーズなやり取りが可能になります。

セキュリティとプライバシー

ビジネスで使用する際には、セキュリティとプライバシーの確保が極めて重要です。不正アクセスやデータの漏洩を防ぐため、エンドツーエンドの暗号化、セキュリティプロトコルの強固さ、コンプライアンスへの対応など、厳格なセキュリティ機能を備えているかを確認してください。また、ユーザーのプライバシーを保護するためのポリシーがしっかりと設定されているかも重要なチェックポイントです。

インターフェースの使いやすさ

ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つツールがおすすめです。会議に参加する全員が容易に操作できるツールを導入することで、商談の効率は向上します。使いやすさを確認するためには、無料トライアル期間を利用して実際にツールをテストするとよいでしょう。直感的に操作できるものをおすすめします。

サポートとカスタマーサービス

トラブルが発生した際に迅速かつ的確な対応を受けられるかどうかも、ツール選びの重要な要素です。24時間体制のカスタマーサポートや多言語での対応など、良質なカスタマーサービスのあるツールを選ぶことで、問題が生じた際にもビジネスに及ぼす悪影響を最小限に抑えられます。

拡張性

将来のニーズの変化に柔軟に対応できるよう、拡張性の点でツールを選ぶのも一つの方法です。また、既存のCRMシステムやプロジェクト管理ツールとの統合が可能かどうかも検討材料になるでしょう。その方が、ワークフローを一元化し、効率的に業務を遂行できるようになります。

オンライン商談に便利なツール6選【有料／無料】

オンライン商談をスムーズに進行させるためには、適切なツールの選択が不可欠です。ここでは、性能や使い勝手に優れるオンライン商談ツールを、有料で提供されているもの、無料で利用できるものをそれぞれ3つずつ、併せて6つ紹介します。

有料のおすすめツールその1:Zoom ミーティング（有料版）

Web会議サービスとして広く認知されている「Zoom ミーティング」には、安価で導入できるビジネスプランがあります。オンライン商談にも十分活用できる高い安定性と機能性を持ち合わせており、さまざまなビジネスシーンに利用可能です。

有料のおすすめツールその2: bellFace

「bellFace」は、営業活動に特化して設計されたオンライン商談ツールで、どんなデバイスやウェブブラウザでも利用できます。さまざまな環境にある人たちが同じツールを使用できる汎用性が魅力です。

有料のおすすめツールその3: Mee2box

「Mee2box」は、インストール不要で簡単に操作できるオンライン商談システムです。あらゆるPC、スマホ、タブレットに対応しているだけでなく、非公開商談メモ機能により、顧客に見えない内部コミュニケーションが可能になっています。

無料のおすすめツールその1 :Zoom（無料版）

「Zoom」の無料版は、1対1の通話だけでなく、40分までならグループミーティングにも利用できます。画面共有やバーチャル背景機能も利用できるため、初期費用を抑えつつ効果的な商談を行うことが可能です。

無料のおすすめツールその2: Google Meet

「Google Meet」は、Googleアカウントを持つ全ユーザーが使えるWeb会議サービスです。Googleのプラットフォームに統合されているため、すでにアカウントを持っているユーザーは追加の設定なしですぐに利用できます。使い勝手の良さとGoogleカレンダーとの連携機能がおすすめポイントです。

無料のおすすめツールその3 :Chatwork Live

Chatwork Liveは、Chatworkのビジネス版として提供されており、無料で音声やビデオ通話、画面共有を行えます。一対一の商談におすすめです。

オンライン商談で絶対に押さえておきたい5つの注意点

オンライン商談を成功させるためには、いくつか重要なポイントを理解しておくことが大切です。ここでは、特に重要な5つの注意点を紹介します。

準備を怠らない

事前に通信環境を確認し、使用するツールのテストを行うことが重要です。不具合が発生したときのために、代替ツールも事前に用意しておきましょう。

環境を整える

背景や照明を整え、プロフェッショナルな印象を与える環境を作りましょう。余計な物は背景から除去し、顔がはっきり見えるように照明を調整することが大切です。

明瞭に話す

聞き取りやすいはっきりとした話し方で、かつ、明瞭で簡潔な表現を心がけましょう。聞き手が内容を容易に理解できるようにするための心がけです。

セキュリティ対策を講じる

機密情報の取り扱いには特に注意し、適切なセキュリティ対策を講じましょう。重要なデータを共有する際は、暗号化されたファイル転送方法を使用するなどの工夫が必要です。

フォローアップの徹底

商談後は迅速にフォローアップを行い、関係構築を図りましょう。商談の要点をまとめてメールで送るなど、相手との連絡を密にする姿勢が効果的です。

オンライン商談はツール選びのポイントと注意点を押さえよう

オンライン商談ツールについて、ツールの選び方や商談中に意識すべきポイントなどについて解説しました。ぜひ今回紹介したヒントを参考に、自社にふさわしいツールを選び、オンライン商談を成功させてください。

オンラインアシスタントサービス「セリーズ（Selly-s）」では、営業支援会社のノウハウを活かし、お客様の状況に合わせたオンライン営業の施策をご提案しています。ツールの運用やインサイドセールスの導入をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。

この記事の投稿者

新井 学（Manabu Arai）

2015年創業のインサイドセールス支援会社、株式会社ビズリンクスの代表。
営業オンラインアシスタント『セリーズ』、リード獲得サービス『リードコンシェル』を運営。 インサイドセールス、マーケティング、クリエイティブと企業成長を支えるビジネスサイドを幅広く支援。
法人営業20年、前職ではワークスアプリケーションズの営業責任者を務めるなどエンタープライズセールスの経験も豊富。