営業を成功させるためには、ターゲットとなる企業の情報を十分に把握した営業リストが不可欠です。リストの質が高ければ、それだけ効果的にアプローチでき、成約率も向上します。この記事では、営業リストを作成するための具体的な方法や、どのようなリストを作成すべきかについて解説します。また、リストの活用方法や作成時の注意点についても触れ、より効果的に営業活動を進めるためのポイントをお伝えします。
目次
営業リスト作成のステップ
質の高い営業リストを作るのにはそれなりの労力と時間がかかります。それだけに、あらかじめ作成に必要なステップを知り、順を追って作業を進めていくことが重要です。具体的に、営業リストを作るステップがどのようなものかチェックしてみましょう。
ステップその1:リスト作成の目的を把握
まず、営業リストを何のために使うのか、しっかりと理解しておくことが大切です。的が不明確だと、不要な情報が含まれてしまったり、逆にアプローチに必要な情報が欠けてしまうことがあります。
同時に、どの部署の誰が営業リストを使うことになるかを把握しておくことも大事です。それによって、実際に利用する担当者の都合に合ったリストを作れるからです。
ステップその2:情報収集の基本的事項を定める
まず、リストに含めるべき情報を整理しましょう。具体的には、企業名や住所、電話番号、ホームボタンのURL、業績、従業員数といった項目を挙げられます。ただし、目的に応じて必要な項目は異なるため、無駄な情報を避けるためにも必要な項目を絞り込むことが大切です。
次に、営業リストのボリューム規模を考えます。どのくらいの企業数があれば十分な営業活動ができるかを見極めましょう。この際、ターゲットを絞り込むことも重要です。例えば、企業の所在地、規模、従業員数、事業内容などを基にリストの範囲を決め、それに応じた情報量を検討することで、無駄を減らすことができます。
さらに、リスト完成の締め切りを設定することも忘れないようにしましょう。企業情報の収集に時間をかけるほど、多くの情報が集まり、精度も上がりますが、締め切りを決めておかないと作業が長引いてしまい、非効率になる可能性があります。営業活動の開始が遅れないように、情報収集の開始日と完成版の提出期限を事前に設定しておくことが大切です。
ステップその3:情報収集の手法を定める
リストに必要な情報が決まったら、実際にどの方法で企業情報を収集するかを検討します。この際、外部業者に依頼するか、自社で作業を行うかを考える必要があります。コストを抑えるために自分たちでリストを作成することも可能ですが、注意が必要です。自社で集めた情報が古かったり、正確でなかったりするリスクがあるため、営業活動に使えるリストを作るには信頼性の高いデータが求められます。
もし外部業者に依頼する場合は、依頼内容を明確にしておくことが大切です。例えば、必要な情報の範囲を文書でまとめておくことで、質の高い営業リストを手に入れることができます。アウトソーシングすればリストの品質は向上しますが、その分コストがかかるため、予算を事前に検討しておく必要があります。
ステップその4:データの収集
事前に定めた方法に従って実際のデータ収集作業を始めます。通常、複数の担当者が作業を分担することが多いため、情報が混乱しないように、しっかりと組織化することが重要です。そのため、事前にデータを入力するためのフォーマットを作成し、全員が同じフォーマットに沿って入力するよう指示します。また、収集する企業の範囲を明確にし、作業の重複を防ぐために、担当者ごとに企業の割り当てを正確に分担しましょう。
データ収集は地道な作業で、効率性を高めることが求められます。作業する人によって効率性が大きく変わることも多いので、事前にどんな手順でどんなツールを使って情報収集したら良いか、分かりやすいマニュアルを作っておくのも一つの手です。特に、社名などの表記方法が人によってバラバラになると、見づらいリストになります。そのため、表記方法を統一するためのルールも作っておくと良いでしょう。
ステップその5:リスト化
データ収集が終わったら、集めた情報を精査していきます。中には重複している企業があったり、古い情報が含まれている場合があるため、それらを削除し、誤字や脱字などのエラーも確認します。不要な情報や使えないデータを省き、必要なものだけを一つのリストにまとめていきます。
リストはアルファベット順や五十音順に並べるほか、企業規模や地域ごとに整理することもできます。使いやすさを考え、Excelの機能を活用して、項目ごとに並び替えができる形に整えると便利です。最終的に、営業活動で見やすく、使いやすいリストにすることがこのステップの重要なポイントです。
良質な営業リストの特徴
営業リストを作る際にはいくつか押さえておくべきポイントがあります。質の高いリストがあればアプローチがスムーズになり、効果的な営業活動が可能になります。まずは、良質なリストとはどのようなものかを理解しておきましょう。
特徴その1:ミスが少ない
営業リストのデータに、電話番号や住所などの誤りが少ないほど、確実にリーチできる確率が高まります。これらの項目にミスがあると、電話がつながらなかったり、DMが届かなかったりする原因になります。そのため、情報収集の際には精度を重視することが重要です。
さらに、社名や担当者名に誤りがあると、連絡時に相手に悪い印象を与えてしまいます。営業効果を高めるためにも、ミスの少ないリストを作成することを心がけましょう。
特徴その2:情報が新しい
リストに掲載された情報が古いと、たとえば本社移転や電話番号の変更、担当者の交代などがあった場合、そのリストは役に立たなくなります。そのため、できるだけ新鮮な情報を用いるようにします。古い名簿や名刺などはできるだけ使わず、現在でも有効なデータかを確かめましょう。
特徴その3:ターゲットにマッチしている
リストが地域や業種で絞り込まれている場合、その条件から外れた企業は、そもそも営業対象ではなくなります。リストに載っているものの、アプローチする意味がなくなります。そのため情報を集める際は、闇雲に収集するのではなく、ターゲットに適合しているかを常に確認しながら進めることが大切です。
営業リストで情報収集する方法【無料/有料】
ここでは、具体的にどのような方法で営業リストの情報を収集できるか、無料と有料の方法に分けて解説していきます。
無料で行う方法
1.企業のホームページを調べる
潜在顧客となる企業のホームページから、必要な情報を確認できます。特に企業概要ページでは、企業名、住所、電話番号などの基本情報が得られます。さらに、IR情報や事業内容のページで、企業規模や業種、従業員数なども把握可能です。
2.SNSを活用する
SNSでは企業の最新情報がリアルタイムで発信されています。新しいサービスの告知や担当者の投稿など、公式ホームページにはない最新の動向をつかむことができます。
3.求人サイトをチェックする
求人サイトには、企業の詳細なデータが公開されていることが多く、所在地や事業内容、企業規模などの情報が記載されています。これも、営業リスト作成に役立つデータ源となります。
有料で行う方法
1.専門のサービス会社に外注する
リスト作成を専門とする会社に依頼することで、短期間で高品質なリストを手に入れることができます。外注することで、情報の正確性や最新性が保証されるため、効果的な営業活動が期待できます。
2.作成ツールサービスを利用する
リスト作成をサポートする有料ツールを利用するのも有効です。例えば、「HRogリスト」や「ソーシャル企業情報」、「URIZO」などは、企業情報を効率的に集めるために利用できるおすすめツールです。これらのツールは、広範囲なデータを短時間で収集・整理するのに役立ちます。
3.展示会での情報収集
展示会に参加し、自社ブースを設置して企業の担当者と直接対話することで、名刺を集めたり、興味を持った企業の情報を得たりする方法です。この方法では、直接顔を合わせることで、信頼関係を築きながら営業リストを作成できるというメリットがあります。
収集した企業情報の有効な活用方法
作成したリストはさまざまな形で営業活動に生かせます。実際に、どんな有効な営業の方法があるかをチェックしてみましょう。
DM
カタログや案内状などのDMを直接企業に郵送する方法です。社名や住所が分かれば行えるので、シンプルな営業リストでもできるのがメリットです。また、多くの企業に短期間でアプローチできるので、イベントやキャンペーンなどの招待にも適しています。DMは視覚的に訴求できる点が強みです。
テレアポ
収集した電話番号を活用し、企業の該当部署に直接電話をかけてアポイントを取る方法です。電話をかける手間と人員が必要ですが、相手と直接話ができるのでリアルタイムで反応が得られやすいのが特徴です。即時のフィードバックや詳細なやり取りができるため、営業効果が期待できます。
オンライン営業
メールやSNSを使って、企業に情報を送りアプローチする手法です。この方法はコストがほとんどかからず、多くのターゲットに一度にアプローチできるため、効率が良いです。また、オンライン営業はデータ解析がしやすく、メールの開封率やクリック率などを分析することで、次の営業活動を改善するためのフィードバックが得られます。
営業リスト作成の際の注意点
営業リストを作るにあたっていくつかの注意点を押さえておきましょう。これらの点に気を付けないと、リストの質や営業の効率が下がってしまいます。
コストや労力がかかり過ぎる
特に無料でリストを作成しようとする場合、データ収集に時間と労力がかかりすぎることがあります。単純作業とはいえ、経験のない社員に任せると生産性が低下し、通常の業務にも支障が出る可能性があります。そのため、リスト作成を誰に、どのように任せるかは慎重に考える必要があります。外注すれば労力は軽減できますが、コストが発生します。外注にかけたコストに見合った営業成績が得られるかを見極めることが大切です。
複数のリソースを用いる
リスト作成の際、情報を一つのリソースだけに頼ると、精度が低くなることがあります。例えば、企業のホームページだけに依存するのではなく、SNSや求人サイトなど、複数のリソースを活用して情報を重ね合わせることで、リストの精度や情報量を向上させましょう。リソースを多様化することで、質の高い営業リストを作成し、無駄なリストにならないよう注意が必要です。
質の良い営業リストで成果を出そう
営業リストの作り方や情報収集のポイントについて、おすすめツールや注意点も含めて解説しました。営業リストの作成には、無料で行う方法や有料の外注・ツール利用など、さまざまなアプローチがあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、精度の高いリストを作るためには、効率的な情報収集とリソースの活用が重要です。営業効率を高められるよう精度の高いリストを作る方法を探ってみましょう。
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