営業の成果をコンスタントに出すためには、セールスの仕組みを効率化することが非常に重要です。そこで、そのために役立つ営業プロセスのフレームワークを厳選して4選紹介します。その上で、セールスの具体的な戦略や運用の注意点を合わせて解説していきます。
目次
営業プロセスとは?
まずは、そもそも営業プロセスとは何かを解説します。この知識を持つことによって、自社に合った営業業務を効率化する方法を選択することができます。
営業プロセスの基本
営業プロセスとは、見込み顧客に対してアプローチをする流れを見える化したものです。テレアポやDM、SNS集客などによって接触する時から、リード顧客の育成、商談、クロージングまでの段階をフェーズごとに分けていくことで各プロセスを可視化します。こうした流れを可視化することによって、それぞれのフェーズですべきことや、運用時の検証などがしやすくなります。また、成果が上がらないケースでは、どこのフェーズで問題が生じているのかを把握して、具体的な解決策を講じるのに役立ちます。
営業プロセスの必要性
少なくても自社で営業を行う企業であれば、この営業プロセスは必須とも言える施策です。営業効率の違いは直接業績にも関わり、経営そのものに大きな影響をもたらすからです。そのため、営業部門は人員削減を行いにくくその分コストがかかるため、無駄を省きコストを抑えるためにも営業プロセスが必要になります。
また、今はオンラインサービスが普及し、顧客の商品に対する見方や購買方法そのものが変化しています。そのため、今までのやり方から脱却するためにも、セールス手法を見直して新たな戦略を立てることが求められています。より柔軟に顧客に合ったアプローチを行うためにも定期的に営業プロセスを見直す必要があります。
営業活動は、どうしても属人化しやすい傾向にあります。社員が自分なりのアプローチ方法や、自分だけが知っている情報を基に営業活動を続けると、企業として安定した業績を上げるのは難しくなるだけでなく、社員教育にも繋がりません。そのため、営業プロセスを整え標準的な手法を決めておくことで、属人化を防ぎ安定した成果を出すことができるうえに、他者への教育もしやすくなります。
営業プロセスの5つの組み立て方
営業プロセスを組み立てるための、5つのステップを紹介します。それぞれの段階でどのようなことを行ったら良いのか、詳しくチェックしてみましょう。
ステップ1:リード顧客の抽出
大まかなターゲット層から、購買意欲が強いと思われるリードを抽出していきます。そうすることで、より効率の良いアプローチができます。この顧客層のことをホットリードと呼びますが、今までの行動傾向から選出していくことができます。たとえば、資料請求やサイトへのアクセス数、過去の購買履歴、メルマガの開封状況などから、関心度をスコアリングします。スコアが高い層にセールスを集中させていくことになります。
ステップ2:アプローチ
リードの興味を引くためのインバウンド営業の場合、アプローチするための種まき作業から始めます。たとえば、ネット広告やメルマガ、サイトへの誘導などを通して関心を持ってもらいます。そして、相手の情報を収集し、課題や関心がどこにあるのかを把握します。その後は、ニーズに合った情報を提供するなどコンタクトを密に行い、顧客からの信頼を高めていきます。
ステップ3:課題解決策を示す
アプローチによって確度が高まったら、商談によって顧客のニーズに応える努力をします。事前に見込み顧客の課題や要望が把握できているはずなので、そこから課題解決策を提示します。ここでは、自社製品を売るという姿勢ではなく、あくまでも相手のためになる情報を伝えるために商談をしているという態度を保ちます。
ステップ4:クロージング
商談やその後のフォローによってアプローチを重ねることで、相手の要望に柔軟に合わせた解決策を見いだすことができます。その次のフェーズでは、明確に自社製品についての説明や価格の提示などを行います。そして、製品の良さや利便性について納得してもらい契約へと結びつけます。クロージングの際には、無理に売りつけるのではなく、将来的にリピーターとして長い付き合いができるように、相手がしっかりと納得できるようにサポートすることが重要です。
ステップ5:アフターフォロー
契約を取ることができたら、営業担当者の役目がすべて終わったというわけではありません。アフターフォローも非常に重要です。しっかりとケアを続けることによって、自社ブランドへの愛着や信頼感に繋がり、継続してリピートしてくれるきっかけとなるからです。この点で、LTV、つまり顧客生涯価値を意識した取り組みをすることはとても大切です。定期的にアプローチを重ねて、自社製品への関心を維持してもらうことができます。製品タイプによりますが、このステップを戦略的に取り組むことによって効率の良いセールスができるようになるでしょう。
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営業プロセスに役立つフレームワーク厳選4選
営業プロセスの構築と管理に役立つフレームワークを活用することで、より効率を高めることができます。初めてこのような取り組みをする企業でも、これらのフレームワークを導入することでスムーズな導入と浸透を図れるでしょう。
フレームワークその1:BANT条件
BANTとは「予算」、「決定権」、「ニーズ」、「導入時期」の4つの条件を意味します。見込み顧客が持つこのような条件を早い段階でしっかりと把握することで、相手に合わせた営業ができます。また、他社との差別化を図り、自社の強みを生かしたケアをするためのこも重要なポイントとなります。そのため、営業プロセスにおける早いフェーズで、この条件を聞き取れるように戦略を組んでおく必要があります。
フレームワークその2:DMUマップ
DMUとは意思決定者を意味します。BtoBの場合は、直接商談を行う担当者とは別に導入を判断する決定権をもつ人がいて、たいていの場合複数存在します。そのため、アプローチをするにしても商談を重ねるにしても、目の前の担当者だけでなく、その上にいる意思決定者を意識することが重要です。もしくは、最初から意思決定者にアプローチすることも可能です。DMUマップはその決定権者を特定し、どのような関係にあるのかを知るためのものです。全体の流れを決めるものとなりえるフレームワークのため、しっかりと活用したい手法です。
フレームワークその3:FABE分析
FABEは「特徴」「利点」「ベネフィット」「エビデンス」から成り立つ判断基準です。自社製品を紹介したり説明する際に、この基準に沿って伝えることによって理解度を深めることができます。セールストークやプレゼン資料を作る際には、これらの要素を順番に並べていくことによって、誰に対しても分かりやすい内容となります。
フレームワークその4:3C分析
3Cとは「自社」「顧客」「競合」を意味します。自社の強みや特徴を明確にすることと、ターゲット顧客のニーズや課題、状況をしっかり把握することによって、要望にマッチした提案をすることができます。また、競合他社との差別化を図り、それを強調することによって、自社への信頼度を高めることができるでしょう。戦略の方向性として、最初から競合との違いを意識した手法を取り入れることもできます。
営業プロセス運用における注意点
営業プロセスを構築して運用する際には、いくつかの点に注意しなければなりません。
柔軟性のある設定にする
プロセスをしっかりと決めようと考え過ぎて、すべてのアクションを細かくルール化しないようにしましょう。細か過ぎる設定をすると、担当者の間での認識の違いによるトラブルが生じやすくなります。また、無駄が発生しやすい状況を生み出し、かえって効率を落としてしまいかねません。そのため、大枠で手順を決めていき、現場判断で自由に決められる余地を十分に作っておきましょう。
PDCAを行う
一度作った施策も万全とは限りません。そのため、現場での実践からフィードバックをもらうようにします。同時に、成約率などのデータを採って分析を続けることも重要です。そのようにして、少しずつ手順を改善していき、製品やターゲットに合った手法を作り上げていくことができます。
評価基準を明確にする
どの時点で次のフェーズに行くか、契約を諦めるかなどの明確な判断基準を設けないと、結果的にセールス活動が長引く可能性があります。また、担当者によって判断が分かれると、チームとしての動きが取りづらくなることもあります。そこで、顧客行動や数値などを提示して、誰もが判断しやすい環境を作ることが重要です。そして、それぞれの感覚ではなく、はっきりとした基準によって判断を下すように促すことが重要です。
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営業プロセスのフレームワークと具体的な戦略や運用の注意点について解説しました。企業の業績にも直接影響を及ぼすセールス活動を標準化し、質を均一に保つために、こうした取り組みをすることは欠かせません。製品やサービスによって具体的な手順は異なりますので、自社にとってどんなプロセスが適しているのか、分析と検証を重ねながら決定していきましょう。そうすることで、他社に対する競争力を高められるでしょう。
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