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コールセンターのCPHとは?生産性を上げるための改善方法も紹介

コールセンターのCPHは、コールセンターの生産性を見定めるために用いられます。今回は、コールセンターのCPHについての基礎知識をお伝えし、生産性を上げるための改善方法を解説します。

コールセンターのCPHとは?

まずはコールセンターにおけるCPHとは何か、基本的な知識を紹介します。

CPHとは?

CPHはオペレーターが1時間に対応できるコール数のことで、オペレーターの能力を見定めたり、コールセンターの効率を評価することができます。CPHの数値が大きければ大きいほど、効率良く運営されていることになります。つまり、CPHが高いということは、スムーズな通話による目的の達成度の高さや、通話終了後の処理時間の短さを意味しており、業務効率化やパフォーマンスの高さを示しています。

CPHの計算方法

CPHを求める方法は、オペレーターが1日あたり何件の応対をしたか、件数をオペレーターの労働時間で割ることで求められます。計算式で表すと、CPH=オペレーターの1日あたりの対応件数÷勤務時間となります。例えば、あるオペレーターが1日につき8時間勤務して、80件のコールについて応対できた場合、CPHは80÷8=10となり、CPHは10という計算になります。

CPHはオペレーター1人当たりの数値だけでなく、コールセンター全体でも算出できます。例えば、コールセンター全体の1日あたりの勤務時間が8時間、400件のコールを4人のオペレーターで対応した場合、コールセンター全体のCPHは400÷8=50で、オペレーター1人当たりのCPHは50÷4=12.5件という計算になります。コールセンター全体のCPHを求めることで1人当たりの平均値がわかるため、オペレーターそれぞれの業務効率を判断することができるようになります。

CPHとしてカウントされる業務とは

CPHを求める際にカウントされるのは、純粋に顧客の電話に対応した時間だけに絞られるわけではありません。CPHを求める際に含めることができる時間には、顧客からの電話を受けた時間、電話対応のために費やした時間、対応後に事務処理に費やした時間があります。
これらを含めることで、オペレーター業務において、改善すべきなのは電話対応時間なのか、それとも対応後の事務処理にかかる時間なのかを見極められるようになります。全体として、コールセンター業務の問題点を浮き彫りにし、改善するための目標を定められるようになります。

平均値の設定

CPHを算出することで全体の平均値が求められますが、平均値が必ずしも全てのオペレーターの基準になるわけではありません。顧客に対して丁寧な応対を行うことで説明のためにかなりの時間を要するケースがありますし、単純な答えであればそれほど時間をかけることなく、説明が終了するケースもあるからです。コールセンターにおけるCPHの平均値を設定する場合、業務の内容やオペレーターのスキルなどを考慮して、平均値を調整する必要があります。

CPHを改善する重要性

なぜCPHを改善する必要があるのでしょうか。その理由は、コールセンターの生産性を向上できるからです。コールセンターの生産性が向上することで業務効率が上がり、結果として企業の信頼性の向上につながります。具体的なメリットは以下の通りです。

顧客満足度が高くなる

コールセンターの生産性が上がることで、コールセンターに問い合わせをする顧客の待ち時間の短縮につながります。オペレーターにつながるまでにかなりの時間がかかると、顧客の企業に対する信頼性の低下を招きます。対照的に、待ち時間が短くなることで、顧客満足度が高くなります。

コストの削減につながる

コールセンターにおける業務効率が上がることで、コールセンターを運営する際のコストが抑えられるようになります。コストを抑えられれば他の分野への投資ができるようにもなり、企業価値の向上につながります。

競争力を上げる

業務効率がアップすると、競合他社との競争力が強化されます。競争力が強化されることで、他者に流れていた顧客を自社に戻すことができるだけでなく、新規顧客の獲得につながるため、企業の売上アップに貢献できます。

CPH確認の際の注意点

コールセンターのCPHを確認する場合、いくつか注意したいポイントがあります。具体的には時期や時間帯、量と質、オペレーターの負担の3つです。それぞれの注意点を理解することで、CPHを正しく確認できるようになり、コールセンターの質の向上に貢献します。

時期や時間帯

コールセンターにおける取次時間帯によって、CPHが異なることがあります。特に、コールセンターは問い合わせが集中しやすい時間帯があるため、平均を求める場合、どうしても時間帯ごとに差が生じてしまいます。
また、時期もCPHに影響を及ぼします。取り扱っている商品やサービスによっては、通年で需要の変動がないものから時期によって需要の変動が生じることがあります。その場合も、年間通して問い合わせの多い時期とそうでない閑散期との差を考える必要があります。自社の取扱サービスや商品が時期的な影響を受けないかどうかを予め確認しましょう。

量と質

CPHを算定した場合に、CPH数が高くても、顧客に対する対応の質が低いならば参考にはならないかもしれません。そのため、CPHを算定する場合には、オペレーターの対応品質も考慮する必要があります。オペレーターの対応品質が良く一定のレベルを保てている場合に限り、CPHが高いことで顧客満足度も高くなるといえるでしょう。

オペレーターの負担

コールセンターにおけるCPHの高さだけを追求してしまうと、現場で働くオペレーターへの負担が増加します。効率ばかりを求めてしまうと、オペレーターが多大なストレスを抱える原因になりかねないため、注意が必要です。効率に加えて、オペレーターにかかる負担を考慮することで、離職率の増加を防ぐことができます。

コールセンターにおいて覚えておきたいその他のKPI

KPIとは「重要業績評価指標」という意味で、コールセンターで設定する目標を達成するために必要な指標になります。コールセンターにおいてCPH以外に押さえておきたいKPIを紹介します。

ATT:平均処理時間

ATT(Average Talk Time)とは、コールセンターでオペレーターが1件のコールを処理する際にかかる平均的な通話時間を指します。ATTは問い合わせ内容や顧客の理解度によって時間が左右されるため、時間の長短で判断できるわけではありません。大切なのは、顧客の要望や問い合わせに対して適切な答えが出せたかどうかということです。ATTを指標として用いる場合には、それだけではなく、他の指標と合わせて用いる必要があります。

ACW:対応後の作業時間

ACW(After Call Work)はコールを処理した後に、オペレーターが対応事項について報告をまとめるといったコール以外の作業時間のことを指します。ACWの値が小さければそれだけ作業時間が短いということを意味しますが、単に時間だけで判断するのではなく、正確に処理できているかどうかを確かめることも必要です。

AHT:コールから対応後までの作業時間

AHT(Average Handling Time)は前述のATTとACWの2項目を合わせた時間で、コールを受電し、全ての作業を終えるまでにかかった平均的な時間です。AHTの値が低ければ1コールに対する時間が短いことになり、効率的にオペレーターが働いていることを示す指標になります。

オペレーターの稼働率

稼働率は、オペレーターが1日の勤務のうち、どれくらいの長さをコールセンターにおける応対業務に充てているかを測る指標になります。稼働率の目安は80~85%と言われています。最大値が高ければ高いほど、稼働率が高いことを意味します。稼働率を確認することで、オペレーターを増員すべきかどうかを決めることができます。

CPHの改善方法4選

CPHを知ることで、コールセンターの現在の状況を把握しコールセンターの品質向上のためにすべきことが分かり、結果的に、生産性の向上につながります。ここでは、CPHを改善するための4つの方法について解説します。

数字だけで判断しない

CPHを出して、すぐに何かを改善しようとするのは避けましょう。数字だけで判断すると、現場の状況がわからず、机上の論議になってしまうため、問題点の解決どころか、現場で勤務するオペレーターの士気の低下を招いてしまう可能性があります。CPHを求めた後、数値が低下していることが判明してもすぐに対策を検討し始めるのではなく、なぜ低くなっているのか、根本原因を見極めてから現場に適用することで、全体の生産性がアップします。

トークスクリプトの活用方法や内容を見直す

オペレーターの質の向上を目指すのに役立つのが、トークスクリプト(台本)の活用です。台本をしっかり準備しておけば、オペレーターは台本を参考に、顧客対応を行えるようになります。生産性があまり上がらない場合、オペレーターがトークスクリプトを読み込めていなかったり、自分なりに対応してしまったりしている可能性があります。
併せて、トークスクリプトは細かすぎないほうが良いでしょう。個人の能力を引き伸ばすためには、適宜状況に合わせた提案が可能な内容にすることが望ましいです。

トークスクリプトの作り方や活用のポイントについてはこちらの記事をご覧ください

トークスクリプトの正しい作り方は?基本の型から活用のポイントまで解説

FAQをまとめる

顧客対応において、FAQ(質問集)をまとめておくことで、それぞれの状況に合わせた適切な回答を速やかに行えるようになります。もし商材についてすべて正確に頭に入っていない場合は、手元にFAQの用意がないと、毎回答えを確かめるために余計な時間を費やすことになります。また、トークスクリプトと同様に、通話状況が進むにつれて顧客からの質問事例も増えるため、FAQも都度更新してブラッシュアップしていく必要があるでしょう。

研修の実施

オペレーターへの定期的な研修を実施して、スキルアップをサポートすることも大切です。
具体的な研修内容としては、顧客対応のロールプレイング、システム操作、タイピングのスピードアップなどが挙げられます。
また、個人の能力を個別に上げるよりも、オペレーター全員を対象に研修を行うこともポイントです。オペレーター全員の能力を上げることでコールセンターの平均値をアップさせることができます。定期的に研修を行いコールセンター全体の質向上を目指しましょう。

コールセンターのCPH改善は生産性UPに欠かせない

コールセンターのCPHについて、注意点や生産性を上げるための改善方法も合わせて解説しました。コースセンターのCPHを改善することは、生産性を向上させるだけでなく、顧客満足度をアップさせ、コストを削減し、競争力の強化にもつながります。具体的な改善策として、現場の状況を把握し、稼働率を向上させるために、トークスクリプトや質問集を活用することが大切です。そうすることで、企業の生産性を向上させ、企業の信頼性を高めることができるでしょう。

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この記事の投稿者

新井 学(Manabu Arai)
2015年創業のインサイドセールス支援会社、株式会社ビズリンクスの代表。
営業オンラインアシスタント『セリーズ』、リード獲得サービス『リードコンシェル』を運営。 インサイドセールス、マーケティング、クリエイティブと企業成長を支えるビジネスサイドを幅広く支援。
法人営業20年、前職ではワークスアプリケーションズの営業責任者を務めるなどエンタープライズセールスの経験も豊富。
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