新規開拓営業は多くの営業マンにとって大きな挑戦です。しかし、そのコツをつかめば、大きな成果を上げることも十分可能です。今回は新規開拓営業で成功するコツや、いまさら聞けない手法を詳しく解説するとともに、改善ポイントを確認していきましょう。

新規開拓営業とは？

新規開拓営業は、未開拓の市場や顧客をターゲットに、新たなビジネスチャンスを生み出す営業活動です。多くの営業マンにとって大きな挑戦であり、成功には高いスキルと戦略が求められます。ここでは、新規開拓営業の基本とその成功の秘訣について解説します。

新規開拓営業の目的

新規開拓営業の目的は、今まで取引のなかった顧客や市場にアプローチし、新たなビジネス機会を作り出すことです。既存顧客への営業とは異なり、顧客との信頼関係がゼロの状態からスタートするため、初回の接触でどれだけ印象を残すかが重要です。成功すれば、新たな取引先やマーケットでの継続的なビジネス拡大が期待できます。

新規開拓営業の成功の秘訣

新規開拓営業で成功するには、まずターゲットを明確にし、効果的なアプローチを選択することが必要です。顧客が求めている価値を正確に見極め、そのニーズに応じた提案を行うことで、初対面でも信頼を築くことができます。

新規開拓営業の手法

営業マンが新規に顧客を開拓するには、適切な手法が欠かせません。しかし、新規開拓営業にはさまざまな方法があります。ここでは、特に効率的に新規顧客を開拓できる手法をお伝えします。成功の鍵となるのは、具体的なアプローチと戦略です。

飛び込み営業

飛び込み営業は、直接訪問を行い、潜在顧客にアプローチする方法です。営業担当者が事前にリストアップした企業や店舗を訪れ、商品やサービスの説明を行います。この手法の鍵は、拒否されることを恐れず、ポジティブな態度を保つことです。また、訪問先のニーズを的確に把握し、その場で相手に最適な提案を行う能力が求められます。

テレアポ

テレアポは、電話を利用して見込み顧客にアプローチし、アポイントメントを取得することを目指す手法です。短時間で相手の関心を引き、関係構築のきっかけを作れるかが鍵となります。電話でのコミュニケーションスキルに加え、拒否されてもそれにめげず、次へとすぐに切り替えられる打たれ強さが求められます。

ダイレクトメール（DM）

ダイレクトメールは、ターゲットとなる顧客に直接郵送物を送り、商品やサービスの情報を伝える手法です。受け手の興味を引く内容とデザインがあって、効果的なDMと言えます。専用の連絡先やQRコードを記載するなど、受け手の反応を追跡できる工夫も必要です。

ソーシャルセリング

ソーシャルセリングは、LinkedInやFacebookなどのSNSを利用して、関係構築やリード生成を行う手法です。情報を共有し、関連するコンテンツを投稿することで、潜在顧客の興味を引きます。デジタル時代の営業戦略において重要な役割を果たす、新規開拓営業の手法です。

セミナーやワークショップ

セミナーやワークショップを開催することで、特定のトピックや解決すべき問題について知識を提供し、参加者との関係を深めることができます。飛び込み営業やテレアポのような直接的な営業手法と違い、参加者に役立つ情報や知識を教えることにより、潜在顧客との信頼関係を築くのに役立ちます。

リファラル営業

リファラル営業とは、既存の顧客から新規顧客を紹介してもらう手法です。満足している顧客が自然とあなたのビジネスを推薦することで、信頼性が高く、コンバージョン率の高いリードを獲得できます。紹介してくれる顧客にインセンティブを提供することが効果を上げるためのコツです。

オウンドメディア

オウンドメディアの運営は、ウェブサイトやブログなど、自社でコントロールできるメディアを通じて情報を発信し、ブランドの信頼性や権威を築く手法です。価値あるコンテンツを一貫して提供することで、訪問者に顧客になってもらうことができます。

SNS

X、Facebook、InstagramなどSNSの運営によって、自社ブランドの視認性を高め、フォロワーとのエンゲージメントを促進する手法です。定期的な投稿やインタラクティブなコンテンツを通じて、潜在顧客との関係を築きます。

新規開拓営業で成功するためのコツ5選

新規開拓営業を成功させるには、営業マンが押さえておくべきコツがいくつかあります。特に、以下の5つのコツを押さえておきましょう。

明確なターゲット設定

新規開拓営業では、ターゲットの明確化が最も重要なステップです。まず、市場を特定し、どの業界に焦点を当てるか、どの地域に潜在顧客が存在するかを決定します。顧客の特徴、購買力、消費行動などを分析し、自社の製品やサービスで解決できる具体的な問題やニーズを明確にします。このデータに基づいて、マーケティングおよび営業戦略をカスタマイズし、より効果的なアプローチを構築します。明確なターゲット設定によって、リソースを効率的に分配し、ROI（投資収益率）を最大化できます。また、ターゲットが明確であるほど、よりパーソナライズされたアプローチが可能となり、顧客のレスポンス向上につながります。

顧客の抱える課題を発見

顧客の課題を理解し、それに対する解決策を提供することが営業の根本です。営業マンは、顧客が直面している問題を深く掘り下げ、その背景や困難に対して共感を示すことが求められます。問題を明確にするためには、顧客との対話を重ね、顧客のビジネスを理解し、彼らが抱える不満や障害を特定するプロセスが不可欠です。そのプロセスを経ることで、顧客の課題に対する具体的な解決策や改善案を提案できるようになります。単に製品を売るのではなく、顧客との信頼関係を構築し、それを長期的な関係へと発展させる基盤作りのためにも大切なプロセスです。

フォローアップ

フォローアップは一度きりのアクションではなく、顧客のニーズが変化するタイミングに合わせて継続的に行う必要があります。具体的には、ファーストコンタクト後の定期的な状況確認、情報提供、また、顧客からフィードバックを求めることなどです。適切なフォローアップを行うことで、自社のことを顧客は「自分のことを真剣に考えてサポートしてくれる存在」として認識し、その結果、信頼感が増し、最終的な購入意欲へとつながります。

アウトバウンドとインバウンドの組み合わせ

新規開拓営業においては、アウトバウンド（積極的に顧客にアプローチする方法）とインバウンド（顧客から自然に興味を持ってもらう方法）を適切に組み合わせることが大切です。アウトバウンドでは直接の連絡や訪問を通じて関係を構築し、インバウンドではSEO、コンテンツマーケティング、SNSなどを活用して顧客からの自発的な関心を引き出します。この両方の手法をバランス良く用いることで、異なるセグメントの潜在顧客に効果的にアプローチでき、結果的に成約率を高めることにもつながるでしょう。

信頼関係の構築

顧客との信頼関係を築くためには、誠実さ、透明性、それに一貫性が必要です。顧客のニーズに真摯に応え、約束を守り、常に高い品質のサービスを提供することで、ようやく顧客は自社に対して安心感を抱いてくれます。問題が発生した際には、迅速かつ適切に対応することも大切です。いったん信頼関係が構築されれば、顧客はリピーターになりやすく、別の新規顧客も紹介してもらいやすくなるでしょう。

新規開拓営業でよくある悩み

新規開拓営業は多くの営業マンにとってハードルが高いです。そこで、新規開拓の過程で営業マンが直面しやすい悩みを紹介するとともに、それを解決するためのコツをお伝えします。

接点の見つけ方がわからない

新規開拓営業の最初の障壁は、見込み顧客との最初の接点をどのように築くかです。打開するための方法としては、業界イベントや展示会に参加することやオンラインで積極的にコンタクトを図ることなどが挙げられます。また、潜在顧客が抱える問題点を理解し、その解決策を提供する姿勢も大切です。ターゲットが関心を持ちそうな価値提案を考えましょう。

拒否されることへの不安

営業マンにとって断られることは避けられないものの、心理的には大きなストレスとなります。拒否されることが不安で一歩踏み出せない場合は、自分個人が拒否されたとは捉えずに、顧客からの有用なフィードバックとして受け止め、今後のアプローチを改善する機会と捉えましょう。また、小さな成功を積み重ねて自信をつけていくのも良い方法です。

成果が出るまでの時間が長い

新規開拓営業では、成果が目に見えるまでに時間がかかることが多いです。結果が見えないことに対する焦りやモチベーションの低下が危惧されます。しかし、短期間での成果に囚われず、長期的な目標に焦点を当て、一つ一つの進捗を評価することが大切です。また、定期的に目標を設定し直すとともに、その達成状況を逐一確認することで、モチベーションを維持することができます。

うまくいかない新規開拓営業の改善ポイント

新規開拓営業で成果を上げるためには、手法やコツを実践するだけでなく、営業マンが直面しやすい悩みに対して改善策を講じることが重要です。ここでは、営業活動をより効果的にするための改善ポイントを解説します。

顧客ターゲットの精度を高める

新規開拓営業がうまくいかない原因のひとつは、ターゲットの特定が不十分であることです。市場調査をさらに深く行い、正確な顧客プロファイルを作成しましょう。顧客が本当に必要としているものや、彼らが抱える課題を理解することで、より効果的なアプローチが可能となります。適切なターゲット設定は、新規顧客の獲得に直結します。

営業プロセスの改善と継続的なフォローアップ

新規開拓営業においては、営業プロセス全体の見直しも必要です。ボトルネックや非効率な部分を洗い出し、デジタルツールを活用して業務の効率化を図りましょう。また、顧客との信頼関係を築くために、定期的なフォローアップを怠らず、顧客からのフィードバックを受けてサービスを改善する姿勢も重要です。

新規開拓した後は適切なフォローで成功に導こう

新規開拓営業で試行するためのコツと共に、手法や悩み、改善のポイントについて解説しました。いずれにせよフォローアップを適切に行うことが、新規に獲得した顧客との長期的な関係構築には欠かせません。今回紹介したアプローチを活用して、新規顧客との強い絆を築いていきましょう。

セリーズ（Selly-s）の「リードコンシェル」では、新規顧客獲得のためのノウハウのあるスタッフがお客様に合った戦略立てからマーケティングのサポートを行っています。新規顧客の獲得にお困りの際はぜひ一度、ご相談ください。

この記事の投稿者

新井 学（Manabu Arai）

2015年創業のインサイドセールス支援会社、株式会社ビズリンクスの代表。
営業オンラインアシスタント『セリーズ』、リード獲得サービス『リードコンシェル』を運営。 インサイドセールス、マーケティング、クリエイティブと企業成長を支えるビジネスサイドを幅広く支援。
法人営業20年、前職ではワークスアプリケーションズの営業責任者を務めるなどエンタープライズセールスの経験も豊富。