顧客育成(リードナーチャリング)は、BtoBのビジネスにおいて重要なマーケティング施策です。ただ、中小企業においてはノウハウやナレッジが少ないケースが多く「なぜ必要なのか?」と質問されたときに具体的な回答をできる方は少ないのではないでしょうか。
今回はマーケター目線でBtoBマーケティングにおけるリードナーチャリングの重要性について解説します。BtoBマーケティングに取り組んでいる方はぜひ確認してみてください。
目次
従来のBtoBマーケティングではナーチャリング=定期訪問だった
顧客育成(リードナーチャリング)とは、見込み顧客の需要を掘り起こし、ニーズを高めて商談を創出するマーケティング施策です。従来のBtoBの営業活動に欠かせなかった定期訪問や御用聞きも、対面して担当者から情報を聞き出したり、信頼関係を構築するためのリードナーチャリングの手法の1つでした。
オンライン化が進み顧客との接点(対面)機会が減少
BtoBマーケティングの基本的な活動だった定期訪問ですが、ビジネスのオンライン化に伴いWeb会議に代替される傾向が強まり始めます。さらに、その動向は2020年に世界的に大流行した新型コロナウイルス感染の影響でテレワークが一気に普及しました。
■テレワークの実施率(東京都)
- 2020年3月:24.0%
- 2020年4月:62.7%
- 2021年1月:63.5%
- 2021年2月:64.8%
- 2021年4月:65.0%
- 2021年10月:55.4%
※出典:東京都「テレワーク実施率調査結果をお知らせします!」
定期訪問がフィールドセールス(外勤営業)からオンラインに移行することで、業務の効率化や移動コストの削減のメリットが得られる一方、多くの企業で懸念されたのが「顧客との接点(対面)機会の減少」です。
受注までの足が長いBtoBビジネスでは顧客の比較検討期間が読めないことも
BtoBビジネスは、取引金額が大きいうえ、顧客の担当者と決裁権者が異なるケースが多く、BtoCと比較すると初回の商談から受注までの期間が長いことが一般的です。この傾向を営業の現場では「受注までの足が長い」と称されることもあります。
Web会議やメールでのやりとりは、対面と比べると顧客の受注確度や商談に対する熱量が分かりにくいというデメリットがあります。そのため、対面でのコミュニケーションで得られたリードナーチャリングの効果が弱まってしまう可能性があります。加えて、スマートフォンやインターネット、SNSの普及で顧客自身がBtoBの領域においても問い合わせ前に情報収集するなど、消費者行動の変化にも対応しなければなりません。
そのため戦略的にオンラインでコミュニケーションを図り、リードナーチャリングを行う必要性が高まっているのです。
オンラインで定期的にコミュニケーションをとることでナーチャリングに繋がる
オンラインでリードナーチャリングを実施するためには、メールやWeb会議などで定期的にコミュニケーションを図ることが重要です。さらにオンラインセミナー(ウェビナー)やホワイトペーパー、オウンドメディアによるコンテンツの配信も有効な施策といえるでしょう。
また、施策の効果検証も都度行う必要があり、関連するマーケティング施策を効率化・自動化するためにMAツールを導入する企業も少なくありません。いずれにしてもリードナーチャリングは長期的な施策となるので、しっかりと事前調査を行い自社に適した施策とツールを導入し、PDCAサイクルを回し続けられる体制の構築が欠かせないでしょう。
BtoBマーケティングはアウトソーシングも視野に入れる
BtoBマーケティングにおいて、リードナーチャリングの重要性が高まっている背景について解説しました。BtoBビジネスにおけるリードナーチャリングは、マーケティングの知識や経験が問われるケースが多く、担当者や企業にノウハウがなく施策が中途半端に止まってしまうケースも多くあります。オンラインアシスタントサービス「セリーズ(Selly-s)」では、セールス・マーケティングの業務に特化したアウトソーシングを提供しています。マーケティング経験が豊富なスタッフを迅速に手配することが可能なので、ぜひ活用を検討してみてください。