BtoBビジネスにおいて、新規顧客獲得のために非常に重要な取り組みの一つがリード獲得ですが、その手法と効果は様々です。特に広告を利用したリード獲得の方法は、低コストで効率よくリードを獲得することができるため取り組みやすい施策ではありますが、適切な媒体を選択し効果を出すためには、それらの特徴や違いを理解する必要があります。
今回は、リード獲得広告について、配信できる媒体とその運用のコツを合わせて解説します。
目次
リード獲得広告とは?
リード獲得広告とは、見込み顧客の氏名、メールアドレス、電話番号などの個人情報を獲得するための広告のことです。FacebookやInstagramなどのSNSや、GoogleやYahooなどのプラットフォームで配信することが可能で、現在多くのBtoB企業がこの広告を活用した方法でリード獲得を行っています。リード獲得のために、SNS広告を利用している企業は31%、リスティング広告を利用している企業は53%という調査結果も出ています。(出典:ITMedia)
リード獲得広告の特徴
それでは、なぜリード獲得広告が多くのBtoB企業で行われているのでしょうか。その特徴を説明していきます。
ランディングページが必要ない
リード獲得広告は、ユーザーが広告をクリックした後にLP(ランディングページ)に遷移することなくプラットフォーム上に入力フォーマットが表示されるため、購入や申し込みといった一連のアクションがSNS上で完結するのが最大の特徴と言えます。通常のインターネット広告では、LPや自社サイトの作成や手直しの手間がかかったり、維持費などのコスト面でも負担がありましたが、リード獲得広告ではそれらの負担がなくなります。つまり、LPや自社サイトなどの制作コストを削減し最小限の準備でだけで、リードを獲得し成果に繋げることが可能となります。
フォーム入力の負担を減らせる
リード獲得広告では、入力フォームが表示される際にはアカウントに登録されている個人情報が自動で反映される仕組みになっています。そのため、ユーザーがフォームに入力する負担が減り途中で離脱することなくコンバージョンに到達する確率が上がります。
FacebookやInstagramなどのSNSでは、基本的にユーザーはアカウントにログインした状態で利用するため、登録情報に合わせた項目を設定することで、入力項目をできるだけ少ない状態にすることができます。GoogleやYahooなどのプラットフォームでは、法人利用のアカウントにログインせずに利用している可能性もある点に留意しましょう。
CRMツールとの連携が可能
リード獲得広告は、自社のCRMツールと連携してリード管理をさらに効率化させることも可能です。顧客情報を都度ダウンロードして別のデータで管理する場合は、作業の手間が増え、タイミングによってはアプローチの機会を逃してしまう可能性があります。CRMツールを活用してリアルタイムでリード情報を管理できれば、顧客に合わせた最適なアプローチができるだけでなく、担当者の手間や負担を減らすことができます。そのため、すでにCRMツールを導入している場合は、連動して管理することをおすすめします。
エントリーフォーム最適化に活かせる
リード獲得広告では、フォームの項目を自由にカスタマイズする機能があるため、ABテストを実施して、より効果的なエントリーフォームを作成できることもメリットの一つです。
ABテストとは、AとBの2つのパターンで効果の違いを比較し検証するテストのことで、
これをリード獲得広告で実施することでエントリーフォームの最適化を図ることができます。さらに広告自体の改善、CVR向上にも役立ちます。
リード獲得広告を出せる媒体
リード獲得広告が配信できる代表的な配信媒体を紹介します。
Facebook・Instagram
最も代表的なリード獲得広告は、Metaが配信するFacebook広告とInstagram広告です。入力フォーム作成の際に追加できる定型の質問には、「連絡先」「ユーザー情報」「利用者の質問」「勤務先情報」「ナショナルID番号」があり、フォームへの自動入力機能によってFacebookやInstagramのプロフィールに設定しているそれらの情報を簡単に取得することができます。そのため、LPを持っていない企業でも取り組みやすい広告と言えるでしょう。
Google広告には、リード獲得のための「リードフォーム表示オプション」の機能があり、広告をクリックしてもサイトを遷移することなく、Google広告上にフォームを表示させることができます。また、Googleアカウントにログインしている状態であれば、メールアドレスや氏名などの登録情報が自動入力されるため、ユーザーの入力の手間を減らしコンバージョンに繋がる可能性が上がるでしょう。
ビジネス専用のSNSプラットフォームであるLinkedInにも、リード獲得広告の機能があります。LinkedIn広告の「LinkedInリード獲得フォーム」の機能では、「連絡先」「勤務先」「会社」「学歴」の項目がフォームに自動入力されるため、企業情報や職務経歴に基づいたターゲティングが可能です。FacebookやInstagramなど他の媒体と比べ特にBtoBに特化したリード獲得ができる広告運用と言えます。
TikTok
TikTokで運用型広告を提供している「TikTok for Business」では、「TikTokリード広告」の機能があります。TikTokリード広告は、TikTokのおすすめやフォロー中のフィード上に表示されるインフィード広告の一つです。上記で紹介した媒体と同様に登録情報を自動入力できるインスタントフォームを使用して、別ページに遷移することなく効率的にリード獲得ができます。TikTokのユーザーは若年層が多いと思われがちですが、最近では30歳以上の幅広い年齢層が利用しておりビジネスシーンでも活用される機会が増えています。BtoBの場合は、ホワイトペーパーのダウンロードを促す活用方法でリード獲得に繋げることが可能です。
リード獲得広告運用のコツ
それでは、実際にリード獲得広告を配信する際に抑えておきたい効果を出すための運用のコツについて解説します。
コンバージョンポイントのハードルを低めに設定する
リード獲得広告でのコンバージョンポイント(Webサイトに訪問したユーザーがコンバージョンに至るための一連の導線)は、ホワイトペーパーや無料セミナーなどユーザーの初期の検討段階に合わせてハードルを低くして設定することをおすすめします。購入やサービスの資料請求などをコンバージョンポイントに設定した方が確度の高いリードを獲得できるイメージですが、そうすると一気にハードルが高くなり、検討レベルは低いけれど可能性を秘めているリードを逃してしまう可能性があります。
コンバージョンは、「ホワイトペーパー・無料セミナー」「問い合わせ・商談」「購入」など段階的に設定することで、ユーザーの心理的ハードルが下がりリード獲得に繋げましょう。
リードの質を高めるためにフォームの情報量を増やし改善を行う
リード獲得広告では、一定数のリードがすでに確保できている場合、リードの質を高めること、つまり確度の高いリード獲得を目指すようにしましょう。リード数を増やしてその後の営業での負担を増やすよりも、リードの質を高めて営業の負担を減らす方が全体の営業活動の効率化に繋がるためです。
リードの質を高めるための改善策は、フォームの情報量を増やす方法です。フォームの項目を増やすメリットは2点あり、まず1つ目は、入力の手間が増えても最後まで入力を完了させることのできるモチベーションの高いリードを獲得できるという点です。2つ目は、入力項目が増えることで取得できる情報量も増えるので、フォローの際にそのリードを的確に判断して対応できる可能性が高まります。情報量の多さから離脱率が上がり全体のリード獲得数は減るかもしれませんが、その分質の高いリード獲得が可能となり営業効率アップが見込めるでしょう。
自社に合った媒体を選択して質の高いリード獲得を目指そう
リード獲得広告の特徴と配信できる媒体、その運用のコツを合わせて解説しました。
リード獲得広告は、LPや自社サイトがなくてもリードを獲得することができ、従来の広告とは異なるターゲットへのアプローチが可能でメリットの多い施策です。ですが、成果を出すためにはノウハウが必要だったり、自社に合う媒体の検証も必要になります。
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